旧東ドイツのカールツァイス・イェナで製造されたコンパクトカメラ「ヴェラ」の距離計、露出計なしタイプ、"WERRA 1"です。ドイツは、第二次大戦で敗北し、社会主義の東ドイツと資本主義の西ドイツに分断されました。カールツァイス社は東ドイツのイェナにあったため、そのまま東ドイツに接収されました。カールツァイス社の技術は西側でも欲しかったため、カールツァイス・オプトンを設立し、それぞれ「こっちが真のカールツァイスだ」ということを言いあっていたようです。（日本のかばん屋さんとか家具屋さんでも、そんなのがありますね。）東ドイツのカメラメーカーには、独自の進化をしたために、けっこう変なカメラがたくさんあります。ヴェラは、ご本家カールツァイス・イェナが作ったカメラですが、なかなか不思議なカメラです。鏡胴の根本の部分を回転させることでシャッターチャージができたり、レンズカバーをひっくり返すとレンズフードになり、そしてレンズフードを装着すると、絞りの変更が難しくなったり（笑）します。カールツァイスのカメラですので、当然ですがレンズはイェナ製のテッサーが付いていて、ヘンテコなカメラなのに、描写は精緻で色乗りも良く、それゆえ東独のカメラは捨て置けないなあと思います。レンズは、Carl Zeiss Jea Tessar 2,8/50mmです。シャッターはPrestor RVSでシャッタースピードは1/750~1/1s+バルブです。（中途半端に高速です。）商品のコンディションは以下のとおりです。・本体は、キズ、スレなどは無く、比較的きれいです。・レンズはキズはありませんが、若干、カビ、くもり、ホコリがあります。（撮影にはあまり影響が無いと思われます。）・ビューファインダは、少しくもりがありますが、可視性は良いです。・ピントは目測ですが、ヘリコイドの回転は滑らかで、グリースも効いています。・シャッタースピードは全速的確だと思われます。チャージリングの戻りが少し悪いので、手で戻さないといけない時があります。・絞りはほぼ円形（8枚羽）で、設定も滑らかです。・速射ケース（革製）、レンズフード（カバー）、キャップが付属します。